2019.11.25

広島の最多得点はウイングバック。
柏好文が32歳でも右肩上がりの秘訣

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 ときに、もっと評価されていいと思う選手がいる。サンフレッチェ広島の柏好文も、そのひとりだろう。

 今シーズン、ここまでJ1で8得点。チーム内における最多得点である。特筆すべきは、彼がFWでもなければトップ下でもなく、ウイングバックだということだ。

積極的な攻撃参加を見せるウイングバックの柏好文 結果こそスコアレスドローに終わったが、11月23日に行なわれたJ1第32節の鹿島アントラーズ戦でも、柏はたびたびサイドから好機を作り出した。

 前半30分には、逆サイドから展開されたボールに対して、鹿島の右SBを務める内田篤人の裏に走り込むとクロスを供給。前半42分には巧みなパスワークでマークを外すと、ペナルティエリア内の森島司へと鋭いパスを通した。得意のドリブルで自ら仕掛けるだけでなく、周囲を使うプレーにも磨きがかかっている。

「(川辺)駿やモリシ(森島司)といった若い選手たちが試合に絡んでくるようになったなかで、チームとしてボールを持てるようになってきているのは大きいと思う。そこには、自分たちが積み重ねて確立してきたものがある。

 左サイドに関していえば、自分とモリシ、そこに(佐々木)翔やゴロー(稲垣祥)が加わって、たとえ相手に対策を練られたとしても、しつこくパスをつないでSBの裏のスペースに侵入していくことが何回もできていたと思う。しかもその崩しが、どこが相手であってもできる。練習からやってきたものが自信を持って出せているからこそ、相手の隙を突くことができていると思います」

 得点数に表われているように、柏の真骨頂は鹿島が主導権を握りつつあった後半に見られた。オフサイドにはなったが、アディショナルタイムには速攻と見るや自陣から駆け上がると、ドウグラス・ヴィエイラのパスを受けてシュートしたのである。

「どちらも得点を獲りたいという思いから、全体的に間延びしていたので、相手がつきにくいところは斜めに走ることだと思った。結果的にオフサイドになって悔しいですけど、(相手ゴール前に)侵入できたところまではよかったので、これを続けていくことが大事だと思う。オフサイドになったシーン以外にもチャンスは作れていましたからね」