中村俊輔が743日ぶりのゴール。
ベンチ外の観察で「答え」を見つけた (2ページ目)
「ベンチから外れたメンバーでやった練習がすごく役立った。横浜FCのボランチは特徴的で通常とは少し違う。ひとりは下がり、ひとりは真ん中。それになかなか合わせにくかったのが、練習でフリーマンとかをやらせてもらったことで、どこでターンすればいいとか、(下平隆宏)監督が考えるボランチ像が、だんだんと体に染みついてきた。
『自分のプレーはこうだから』という考え方ではなく、色を変えて、照らし合わせて何ができるか。それはベンチメンバー外になったからわかったこと。(スタンドから横浜FCの)試合を見ると『あそこは、ああしたほうがいいんじゃないか』ということも見えてくる」
そして、中村は今後についてこう続けた。
「あまり欲張らないこと。やれることをやって、セットプレーとか今日みたいなワンチャンスで結果を出したい」
J1自動昇格の2位以内を巡り熾烈な争いが続く中、自分らしさを発揮すること以上に、チームに求められることを最優先に取り組んでいた。
ただ、笑顔で話しつつ「もっと(ボールを)触りたい」と本音もチラリ。いずれにしろ、チームの戦術理解と自分らしさの狭間で揺れながら、中村は743日ぶりにゴールを決めた。今シーズンも残り4試合になったが、復活を遂げた天才レフティーの活躍から、目が離せない。
2 / 2