2019.10.30

カミンスキーが母国・ポーランドの謎に迫る。
なぜ優れたGKが多いのか

  • 井川洋一●構成・文 text by Igawa Yoichi
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

Why JAPAN? 私が日本でプレーする理由

ジュビロ磐田 カミンスキー(2)

今年27シーズン目を迎えているJリーグは、現在、じつに多くの国から、さまざまな外国籍選手がやってきてプレーするようになっている。彼らはなぜ日本でのプレーを選んだのか。日本でのサッカーや、日本での生活をどう感じているのか? この連載では、彼らの本音を聞いていく。

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「いい質問だね。うん、とてもいい」と、ジュビロ磐田のクシシュトフ・カミンスキーは返事をした。「でも僕にもその理由はわからないな」

 彼の母国ポーランドはなぜ、優れたGKを連綿と輩出できるのか──。

ポーランドのGK事情について語るカミンスキー 現役ではユベントスのヴォイチェフ・シュチェスニーを筆頭に、ウェストハムのウカシュ・ファビアンスキ、フィオレンティーナのバルトウォミェイ・ドラゴフスキ、ボローニャのウカシュ・スコルプスキ、ウニオン・ベルリンのラファウ・ギキエビチなど、欧州主要リーグのチームで正守護神を務める彼の同胞は少なくない。

 15年前の”イスタンブールの奇跡”で欧州チャンピオンズリーグを制したリバプールのGKイェジー・ドゥデク──ミランのFWアンドリー・シェフチェンコの連続の強襲を止め、クネクネと腕を動かしてPK戦で主役になった──もポーリッシュだ。

 そして日本でもカミンスキーに続き、今年7月にヤクブ・スウォビィクがベガルタ仙台に加入すると、すぐさまレギュラーに収まっている。

 だからそんな質問をぶつけてみたわけだが、カミンスキーはまず正直に「わからない」と答え、インタビュアーと共に考察を始めた。少し前に乗り出すようにして居住まいを正し、コバルトブルーの両眼でこちらを見て、言葉を続ける。

「推察するしかないけれど、ポーランドでは多くの人が、若手育成がうまくいっていないと不満を述べている。だから、全般的な育成環境がその理由ではないと思う。また最近は(ロベルト・)レバンドフスキ(バイエルン)に憧れる選手が多いから、GKがとくに人気のあるポジションというわけでもない。ただ僕が考えるに、GKは個人的なポジションだから、よいGKコーチがいれば、優れたGKは育つ。フィールドの選手よりも、個々のトレーニングで伸びる可能性は高いと思うんだ」