カミンスキーが思う「Jリーグファンからの重圧の少なさの一長一短」

  • 井川洋一●構成・文 text by Igawa Yoichi
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

Why JAPAN? 私が日本でプレーする理由

ジュビロ磐田 カミンスキー(3)

今年27シーズン目を迎えているJリーグは、現在、じつに多くの国から、さまざまな外国籍選手がやってきてプレーするようになっている。彼らはなぜ日本でのプレーを選んだのか。日本でのサッカーや、日本での生活をどう感じているのか? この連載では、彼らの本音を聞いていく。

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「Jリーグのレベルは、ポーランドのエクストラクラサ(1部リーグ)よりも高いと思う。わけても、中盤の選手たちのボールスキルやビジョン、創造性などは、確実にJリーグのほうが優れている。

Jリーグのレベルと魅力について語るカミンスキーJリーグのレベルと魅力について語るカミンスキー 僕が移籍を決断する時に、日本のフットボールに詳しい人にその実情を訊いたように、もし今誰かに同じ質問をされたら、僕もここのレベルは高いと答えるよ。そして、甘い気持ちでは来ないほうがいい、と」

 ジュビロ磐田のクシシュトフ・カミンスキーは、現在プレーするJリーグと彼の母国のリーグを比較して、そう語った。現在28歳のGKは、ポーランドの1部リーグで3シーズンを過ごしたあとに当時J2の磐田へ移り、今季はJ1で4シーズン目を迎えている。肌身で感じたままを率直に話す彼は、自身もここで学んでいることが多いと言う。

「ポーランドでは低い位置から攻撃を組み立てるチームが少なく、自分が所属しているチームもそうだった。フィジカルの強い前線の選手にロングボールを当てる戦術が、今も支配的なんだ。でも日本では、よりモダンな戦い方を志向するチームが多く、後方からのビルドアップの際にはGKにも足元の技術が求められる。僕自身、来日当初と比べると、そこは大きく向上したと思う」

 自身の成長を促してくれたJリーグは、「フットボールそのもののクオリティーが高く、ポゼッションをベースとした攻撃的なチームが多いから、選手もファンも楽しめるものになっている」と、カミンスキーは続ける。そして日本のサポーターについては、こんな印象を持っている。

「欧州のファンは不満があれば、それを腹にとどめておくようなことはしない。ポーランドの人々はそんなに攻撃的ではないけれど、それでも言いたことははっきりと言う人が多い。だからチームが悪いパフォーマンスをしたり、結果がついてこなかったりすると、選手は厳しい批判に晒される。

 かたや、日本のファンはどんな時でも選手たちを励ましてくれる人が多いと思う。ジュビロのサポーターなら、昨シーズンも今シーズンも、フラストレーションを感じていても不思議はない。もちろん、ブーイングを聞くこともあるけど、ほとんどのファンは常に12人目の選手として、僕らをサポートしてくれる。彼らには本当に感謝しているよ」

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