J2降格、五輪落選、ケガ。青山敏弘はしつこいくらい何度も這い上がる

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • (株)サンエス秋田耕二●撮影 photo by Akita Koji

青山敏弘インタビュー@後編

 今年1月のアジアカップでの故障から約半年。苦しいリハビリを乗り越え、青山敏弘がピッチに戻ってきた。一方、サンフレッチェ広島はその間、メンバーが大きく刷新された。若い選手たちがハツラツとプレーする姿を、青山はどんな気持ちで眺めていたのか。

 9月14日の横浜F・マリノス戦ではJ1通算350試合出場を達成した。数多くのケガや挫折を乗り越えて積み重ねてきたこの数字に、青山が思うこととは――。

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―― 今季、サンフレッチェ広島は若返りを図りました。川辺駿選手、松本泰志選手、東俊希選手、松本大弥選手、森島司選手といったフレッシュな選手たちがハツラツとプレーし、上位争いをしています。そんなチームの戦いぶりをどう見ていました?

青山敏弘(以下:青山) 成長度がすごいなって。チームも選手も、こんなにも変わっていくんだなっていうのを目の当たりにしましたね。世代交代というものが、目の前で進んでいくのを見たのは初めて。当時、メディアの方に聞かれて、言葉ではポジティブに「すごく頼もしいですね」なんて言ってましたけど、自分の居場所がなくなってしまうんじゃないかっていう。

―― 危機感というか、恐怖感というか。

青山 そっちのほうが強かったですよね、正直。

―― 7月に公式戦復帰を果たしてからは、そうした若いチームに入っていく難しさもあったのではないですか?

青山 それは感じていましたね、ずっと。言ってみれば、この半年間でチームは新しくなったわけです。そこに自分がどう関わっていくのか。それが一番の問題だったかもしれません。

 ただ、(城福浩)監督がチームに一番入りやすい形で、なおかつ自分が一番機能する形で戻してくれた。それがベンチスタートだったわけですけど、僕にとっては最もポジティブな復帰の仕方だったなと感じています。

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