J2降格、五輪落選、ケガ。青山敏弘はしつこいくらい何度も這い上がる (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • (株)サンエス秋田耕二●撮影 photo by Akita Koji

―― そうした言葉が出てくるということは、今、本当にコンディション、メンタルの両面が整ってきた証ですね。

青山 そうですね。まあ、人間なので浮き沈みは絶対にあるし、自分は浮き沈みが人一倍多いサッカー人生なので。でも、自分の一番の強みは、沈んだところから這い上がってくるパワーだと思っている。超一流選手の方々と違って、僕には強い部分もあれば、弱い部分もある。特別な能力も持ってないので、努力で埋めていくしかない。

 でも、努力する楽しさを自分は知っているし、壁を越えていくときの力強さに自分は一番こだわってきた。その能力は、もしかしたらJリーグで一番かもしれない。

―― 若い頃には何度も大ケガを負い、J2降格も北京五輪メンバー落選も経験。昨季もケガでワールドカップを棒に振ったし、今季も半年間の離脱を乗り越えて今がある。ただ、こうした復活劇は美談でもなんでもなく、今もまだ進化の過程だと。

青山 本当にそうですね。自分でもまだ努力している途中だと思っているので。しつこいくらい這い上がってきた選手のパワーというのを、もう一度、みなさんに見てもらいたいなと思っています(笑)。


【profile】
青山敏弘(あおやま・としひろ)
1986年2月22日生まれ、岡山県倉敷市出身。2004年、作陽高校からサンフレッチェ広島に入団。2006年から主力となり、2013年には日本代表デビューを果たす。広島を3度優勝に導き、2015年にはJリーグMVPを受賞。ポジション=MF。174cm、75kg。

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