2m近い世界トップクラスの日本人GKをどう増やす? 福田正博が悩みぬく (3ページ目)
韓国では1999年からKリーグで外国人GKの登録や出場を原則として禁じている。これは、経験値が最も重要と言われるGKという特殊なポジションにあって、自国籍GKの育成を目的にしたルール制定だったが、これが奏功したとも言える。
そうしたなかで、日本人GKを世界基準に近づけるためには、韓国サッカーのGK育成法のエッセンスを取り入れることも必要だろう。そのひとつとして、日本人GKの出場機会を増やすためのルールづくりを検討すべきかもしれない。
また、体格面に関しては、国内のバレーボールやバスケットボールには、190cm以上の長身の日本人選手がいる。技術は教えることで伸ばせるが、体格は生まれ持ったものなので、そうはいかない。資質に恵まれた彼らが、幼少期や少年時代にサッカー以外の競技を選んだ背景にも、真剣に目を向けるべきだろう。
日本サッカー界では、機敏でテクニカルな小柄な選手が脚光を浴びがちだが、一方で、体の大きさに恵まれた選手もまた、高さという利点を生かしながら、それ以外の能力を高めていることにも着目してもらいたい。
日本代表がこの先、世界トップレベルの国々を相手にして、安定して好結果をつかむためには、高さと強さと機敏さを備えたGKの存在は不可欠だ。これからの時代は、体格に恵まれている子どもたちがGKのポジションを熱望するような環境をつくること、そしてその才能を伸ばす育成システムを構築することがより大事になってくるだろう。
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