偉大な男トーレスの最終ゲーム。
イニエスタは黄金の輝きで華を添えた (3ページ目)
トーレスは自ら幕引きを決めたが、それは己に厳しいトッププロの潔さだったのだろう。
「ストライカーを選んだら、ゴールすることが仕事になる。ゴールしなければ生き残れない。自分は人生を、ゴールすることで道を切り開いてきた」
試合後の会見で、トーレスは胸を張って言った。
今後はひとまず故郷のマドリードに戻る。鳥栖とは2020年12月までクラブアンバサダーの契約があるという。そのあとは気になるが、まずは戦い疲れた羽を休めるのだろう。
現役最後の試合でピッチに出る直前、父と息子の会話だ。
「これ、最後の試合だぞ」
父トーレスが息子に向かって言う。
「うん、終わったらバカンスだね!」
息子は楽しそうに答えた。トーレスは微かに笑みを浮かべ、ピッチへ向かった。
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