Jリーグは外国人守護神だらけ。
日本人GKに未来はあるのか (2ページ目)
昨シーズンまであった「アジア枠」は、彼らの移籍を後押しした。しかし、彼らが定着して一大勢力を作った理由は、その実力によるものだ。
「同じ身長だと、(韓国人GKは)スピード、パワーで日本人GKより上かなと、正直に認めるところはありますね」
Jリーグ22シーズン目になるGK南雄太(横浜FC、39歳)は、そう説明している。南は18歳から柏レイソルのゴールを守り続け、昨シーズンはJ2横浜の守護神としてJ1昇格プレーオフを戦った。
「韓国人GKは、身長190cmオーバーでも俊敏に動けて、止められる。単純なパワーは日本人と違う。例えば、体勢が悪くて入っちゃいそうなシュートを、強引に掻き出せるというか......。同じ身長なら、彼らを使うことになるかもしれません。たとえば、チョン・ソンリョンは、醸し出す空気がどっしりし、信頼できる感じが伝わってきますね。一方で日本人の場合、180~185cmくらいだと俊敏に動ける選手が多いから、そういう選手はポジションを取っています」
ロシアW杯日本代表の川島永嗣、東口順昭(ガンバ大阪)、中村航輔(柏レイソル)も、大柄ではないが俊敏で、高いゴールキーピング力を誇る。
「でも、日本人でも最近はシュミット・ダニエルなどが出てきています。GKは大型化しているし、時代の流れを感じますよ。これからはどんどん変わるはずです。ユース年代のGKを見ると、親が国際結婚した子どもたちが増えていますしね。自分はこの時代に生まれてよかったですよ」
南はそう言って笑みを洩らしたが、当然、日本人GKとしての特性も肌で知っている。
「これは自分の場合ですが、サイズもなくて身体的に恵まれなかったからこそ、いろいろ考えてプレーするようになりました。たとえば、1ステップで届かないなら、2ステップ踏んで届くようにするとか。なにより、ディフェンスを動かせるか。届かないなら、コースを切らせて、一緒に守る。考えることで、埋められることもあります」
体格的な資質はつきまとう。「でかくて速い」のは、それだけで武器になる。しかしディテールを突き詰めることで、日本人GKの活路は広がるとも言える。
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