知念慶はFWなのに寡黙。「ボール出せ!」と声を荒げない理由がある
川崎フロンターレ・知念慶インタビュー@後編
川崎フロンターレでプレーするFW知念慶は、穏やかな性格をしている。勝手な偏見だが、沖縄出身だからか、ゆっくりと時間が流れているようにすら感じる。彼の性格を擬態語で表せば「ほわっとしている」とか「ふわっとしている」といった感じだろうか。
だから知念は、プレー中に声を荒げることもなければ、怒りを爆発させることもない。ただ、話を聞けば、そこには明確な理由もあるし、確固たる意思もあった。
ストライカーはそれぞれに特徴があるように、知念だけのスタイルがあっていい。プロになって2年間、悩みに悩み、考えに考えて、辿りついたストライカー像に迫った。
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将来目指すストライカー像について語る知念慶―― プロ3年目になりますが、これまで小林悠選手だけでなく、今シーズンから加入したレアンドロ・ダミアンも含めていろんなストライカーと試合で組み、練習をともにしてきたと思います。彼らから感じたことは何ですか?
知念慶(以下:知念) みんな「自分が得点を決める"形"を持っている」ことですね。悠さんもそうだし、ダミアンもそう。森本(貴幸/現アビスパ福岡)くんも、(大久保)嘉人(現ジュビロ磐田)さんも。
そこに気づいてからは、僕も自分の得意とする形にこだわってプレーしようと思うようになりました。練習でも、そこを譲らないように。得意な形に持ち込めたら、絶対にシュートで終わるようにするとか。
本当にちょっとしたことなんですけど、そういうプレーを監督やチームメイトは見てくれている。だから、練習から自分の得意な形を知ってもらえれば、試合でも似たような状況でパスが出てきたり、あいつならここに動くということがわかってもらえるかなと。
―― 具体的に、自分の得意な形というのは?
知念 ペナルティエリア付近でボールを受けて、できればワントラップからシュートを打つ形ですかね。シンプルだけど、相手のマークを少し外したところでパスを受けて、距離があっても思い切って打つ。とにかく、ペナルティエリア付近でのシュートを意識しています。
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