精彩欠く勝利は飛躍の予兆か。
FC東京に久保建英じゃない成長を見た (3ページ目)
そして後半30分だった。中盤でパスをつないだ橋本が左サイドへ展開。左サイドバックの小川諒也が受け、さらに左へ流れたディエゴ・オリヴェイラが左足でクロスを送る。これにニアに走り込んだサンホがGKの鼻先で合わせ、ネットを揺らした。
「ビハインドで入ったので、ゲームの流れを変えなくては、と思っていました。(マーカーが)ガツガツと来たので、これを振り切ればチャンスになると」(サンホ)
サンホはゲームの流れを変えている。彼が左サイド奥深くまで侵入したことによって、FC東京は相手を押し込めた。これで必然的に、選手間の距離がよくなった。後半35分にはサンホがボールを頭で突いて、それを受けた久保が自陣からドリブル。1人かわした後、斜めに走り込んだサンホがスペースを空ける。久保は左足でシュートを打ち、右ポストを直撃した。
FC東京は攻撃に迫力が出ている。
「得点した後も、(前節、終了間際に同点に追いつかれた浦和レッズ戦のように)引きすぎなかった。勢いを変えず、プレーすることができた」(FC東京・東慶悟)
後半41分だった。東の縦パスをオリヴェイラがフリックし、交代出場のブラジル人FWジャエルが背中越しのパスを入れる。これをワンツーの形で走り込んだオリヴェイラが右足で浮かせ、GKの頭上を破った。
FC東京は2-1で逆転勝利を収めている。
率直に言って、チームとしては精彩を欠いていた。距離感が悪く、何度もパスカットされ、攻撃は不完全燃焼で、不用意なカウンターを浴びた。しかし、悪いながらも、交代カードを切った後は調子を取り戻し、勝利を飾っている。
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