収穫あり内容も悪くないが...今季初勝利で見えたレッズが抱える問題 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 加えて言えば(というより、これこそが最大の収穫なのかもしれないが)、若い選手の活躍が今季初勝利をもたらしたことも、今後に向けて非常に明るい材料となった。

 この試合の先発メンバー11人の中に、30代の選手が6人も名を連ねるチームにあって、勝利を決定づけるふたつの追加点を叩き出したのは、19歳のDF橋岡大樹。そして、切れのいいドリブルから3点目をアシストしたのは、今季新加入の23歳、MF汰木康也(モンテディオ山形→)だった。

 オズワルド・オリヴェイラ監督は、橋岡、汰木のほか、19歳のDF荻原拓也や23歳のMF柴戸海らの名前を挙げ、満足そうに語る。

「若い選手が世代交代を訴えるのはポジティブなこと。ポジションを奪うときというのは、監督が選手を選ぶのではなく、選手が監督に自分を使わせるものだ。実績は関係ない。よいパフォーマンスを見せることができれば、(ポジションを奪う)チャンスにつながる」

 とはいえ、だ。浦和は今季4試合目にして、ようやく無得点続きに終止符を打ち、やっとひとつ勝っただけ、なのである。

 気になったのは、とくに前半の戦いぶりだ。

 浦和は完全に試合を支配し、攻撃し続けた。焦りから攻め急ぐこともなく、全体のバランスを崩すことはなかった。

 試合後、ブリーラムのボジダル・バンドビッチ監督も「やりたいようなプレスがかけられず、深く守ることになってしまった。相手ゴールから遠くなり、カウンターもできなかった」と認めたように、相手に何もさせなかったという意味では、決して悪い内容ではなかった。

 だが、ボールを保持し続け、しかも、ピッチを横に広く使ったボールの動かし方も悪くなかったにもかかわらず、なかなか"スイッチ"が入らず、攻撃がスピードアップしなかった。ゴールするとか、チャンスを作るとかの以前に、チャンスを作りにかかることすら、ほとんどできていなかったのだ。

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