森﨑和幸が森保監督から学んだこと。「大事なのは結果よりもプロセス」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

―― そんな指揮官と3度のJ1優勝を達成できたことは幸せでしたね。

森﨑 自分のキャリアにおいても、最高の思い出です。本当に森保さんが、何度も優勝に導いてくれました。持っているとか、持っていないというだけでは、3回もJ1で優勝することはできないと思うんですよね。きっと、森保さんのことだから「そんなことはないよ」って言うでしょうけど、あの3度の優勝は、森保さんの力が一番大きかったと思います。

―― 練習場に取材に行けば、いつも森保監督と話している姿を見受けました。

森﨑 そうですね。いつから話をするようになったのかは覚えていないのですが、おそらく僕の知るかぎりでは、選手のなかで一番、森保さんと話していたんじゃないかと思います。今思えばですけど、チームのことを探られていたんだろうなって思います(笑)。

 その時は深く考えてはいなかったんですけど、ピッチのなかにいる選手たちがどのように感じているのか、チームメイトたちが何を思っているのかを、僕を通じて知ろうとしていたのではないかなって思います(笑)。

―― その森保監督から一番学んだことは?

森﨑 人間ってすぐに結果を求めがちじゃないですか。練習でもすぐに効果を求めがちですよね。たとえば、体幹トレーニングでもそう。早く結果を実感したいと思ってしまうところがある。でも、僕が森保さんから教わったのは、結果も大事だけど、もっと大事なのはプロセスだということ。

 まず、その過程でどれだけやったかがあって、なおかつ、その過程でしっかりと取り組めば、自ずと結果がついてくるということを教わった。勝つ確率を少しでも上げるために、準備であり、積み重ねを大事にしていくということを。

―― なるほど。ただ、2017年途中に森保監督が退任し、ヤン・ヨンソン監督が引き継ぐことになりました。

森﨑 今思えば、ヨンソンは、その時のチームがやらなければならないことに取り組んでくれていたんだなって思います。それは、サッカーの基本のところです。正直、その当時のチームは、そうした基本のところが薄れてきてしまっていた。それは「止めて蹴る」の部分もそうですし、球際の強さもそう。

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