神戸リージョ監督が日本代表を語る。
「条件次第でスペインにも勝てる」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

「吉田(麻也)はいいセンターバックだ」

 ヴィッセル神戸監督のフアン・マヌエル(ファンマ)・リージョは、独自の所見を述べている。11月の日本対キルギス戦の翌日だった。

サマランカ、オビエド、ソシエダなどの監督を歴任してきたフアン・マヌエル・リージョサマランカ、オビエド、ソシエダなどの監督を歴任してきたフアン・マヌエル・リージョ「(吉田は)顔つきがいい。周りのチームメイトに、戦いの真剣さを伝えることができている。ここに俺はいるぞ、心配するな、と。後ろから安心を伝えられる。一家の父親のように、ね」

 リージョはそう言って、高い評価を与えた。スペインの名将が見た、日本サッカーと日本代表の実状とは――。

「日本代表は、すでにW杯でも十分に存在感を示している。今の日本は条件次第で、どこの代表でも破る力を持っているだろう。たとえそれがドイツ、イタリア、スペインのような強豪国が相手でもね。もし日本がいい状態で、相手の調子が悪かったら......必ず勝機はあるはずだ」

 リージョはそう言って、日本代表のポテンシャルの高さに言及している。一方で、戦いの進め方に関しては苦言も呈した。

「ロシアW杯の(決勝トーナメント1回戦)ベルギー戦では、明らかに悪い試合マネジメントがあった。それは日本人の性格なのかもしれないが、ペナルティエリア内では、生きるか死ぬかの勝負のはずなのに、それが足りなかった」

 彼はさらに言葉を継いだ。

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