2018.12.30

神戸リージョ監督が見た日本。
「しょうがない」という言葉に思うこと

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

 11月、神戸。コーヒーのチェーン店にふらりと入ると、レジの列に並びながら、ヴィッセル神戸監督、フアン・マヌエル(ファンマ)・リージョは早口で言った。

「お前はやっぱりコーヒーが好きか? スペイン人はみんながぶがぶ飲むが……実は俺は、あんまり得意じゃないんだ」

 そう苦笑いしながら、リージョはガス入りの水を頼んだが、あいにくメニューになく、代わりにボトルのミネラルウォーターにした。

「日本人はなんでも予定を作るところがある。それは悪いことではない。でも、フットボールではすべて、局面にかかってくるんだ」

 そう言ってボトルのキャップを開けると、そのままひと口飲んだ。

「選手自らが考えて、決定を下さないといけない。試合中、ベンチの顔色を伺うような選手は高いレベルではプレーできないだろう。我々指導者はトレーニングで強度や質を高め、修正し続けるだけだ」

 彼はキャップを強く閉めた。では、トレーニングの真髄とはいかなるものか?

今年10月、ヴィッセル神戸の監督に就任したフアン・マヌエル・リージョ スペイン人監督リージョのトレーニングは、際だって質が高い。試合につながる基盤になっている。

 あのジョゼップ・グアルディオラ(現マンチェスター・シティ監督)は現役時代にリージョが率いていたオビエドと対戦した時、その戦い方に感銘を受け、自ら挨拶に出向き、”弟子入り”している。その練習を直接学ぶために、現役最後のチーム(ドラドス・シナロア/メキシコ)に選んだほどである。トレーニングが終わっても、リージョを質問攻めにしたという。