湘南の梅崎司が振り返る2018年。「自分を変えるために移籍した」

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi 小倉直樹●撮影 photo by Ogura Naoki

2018年、梅崎司は浦和レッズから湘南ベルマーレに移籍した。31歳の経験豊富なMFは、なぜJリーグトップのビッグクラブから、若手中心のクラブで戦うことを選んだのか。長いシーズンを戦い終えて、その胸中を語ってくれた。

浦和から湘南に移籍した今季、ルヴァンカップ優勝に貢献した梅崎司浦和から湘南に移籍した今季、ルヴァンカップ優勝に貢献した梅崎司──シーズン、おつかれさまでした。そして残留、おめでとうございます。かなり濃い一年だったと思いますが、まずは残留を決めた瞬間の心境から聞かせてもらえますか?

「本当に、本当に、ホッとしました。レッズ時代にも残留争いをした経験はありますけど、ここまで熾烈なものではなかった。1勝、1点ですべてがひっくり返るような展開で。正直、もう経験したくないですね(笑)。それぐらいの緊張感でした」

──以前お話を伺った時、新天地での今季の目標は、J1残留、ルヴァンカップ優勝、シーズン二桁得点と言われていました。3つのうち2つを見事に成し遂げ、二桁にもあと2点と迫りました。有言実行と言っていいと思いますが、どう捉えていますか?

「得点に関しては、残り5試合で4点取れれば達成できたので、なんとしても(決めたい)、と思っていました。果たせなかった悔しさは、もちろんあります。でも、目に見える結果を追い求めてきたので、最後の2試合で連続ゴールを決められたのかな、とも思います。来季につながる終わり方というか。カップ戦の優勝、J1残留を含めて、本当に実り多き一年でした」

──印象的な得点もありました。もっとも記憶に残っているものは?

「やっぱり、最後のふたつ(33節浦和戦と34節名古屋戦のゴール)ですね。チームとしても、個人としても、本当に必要としていたものでしたから。絶対に勝たなければいけない状況で、決めることができた。しかも、それを狙ってできた。本当に価値があるものだったと思います」

──名古屋戦のPKを蹴る時、どんな心境でしたか?

「いつもヤマ(山崎凌吾)が蹴るんですけど、自分でゴールを決めてチームを残留に導くんだと強く思っていたので、『オレに任せてくれ』と言いました。前日にもPKの練習をしていたし、あのPKを取ったパスも僕からだったこともあって。ラストパスまでの一連のプレーも、空間を完全に支配できたような、完璧なものだったので、思い切り蹴りました」

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