2018.12.25

豊田陽平の鳥栖愛。「トーレスの控え」の
クローザーとして仲間を思う

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Yamazoe Toshio

短期集中連載・昇格と降格のはざまで戦った男たち(4)~豊田陽平(サガン鳥栖)

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 12月1日、鹿島。90分が過ぎて後半アディショナルタイムに入ってから、彼はフェルナンド・トーレスとの交代でピッチに入っている。

<前から積極的にプレスし、しつこくプレスバックし、とにかく試合をクローズする>

 監督からの指示を反芻しながら、ハイボールをディフェンダーと競り合い、マイボールにした。90分間を戦って0-0。最終節の鹿島アントラーズ戦は、引き分けでJ1残留が決まる一戦だった。

フェルナンド・トーレスの控えに回り、今季は出場8試合にとどまった豊田陽平(サガン鳥栖) 彼はサガン鳥栖というクラブを、2011年、J2からJ1に引き上げている。大柄な体躯を生かしたゴールゲッターとして注目を浴び、カップ戦を含めた年間得点では5シーズン連続で15得点以上を記録。日本代表としても2013年に東アジア選手権で優勝し、2015年のアジアカップなども戦っている。

「鳥栖で戦うことで、自分はたくさんのことを与えてもらったので、託された時間で与えられた仕事をする。それだけですよ」

 そう明るく言い切った男は、クローザーという名の時間稼ぎ役に徹して残留に貢献し、安堵の笑みを浮かべていた。

 サガン鳥栖の豊田陽平は今シーズン、「最終節で5チームに降格の可能性」という前代未聞のJ1残留戦を戦っている。シーズン途中、韓国Kリーグの蔚山現代から復帰。古巣を降格させないため、身体を張った。