就任5年目。ジュビロ・名波浩監督は強気に「神様にあらがっていく」 (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・構成 text by Harada Daisuke
  • photo by Masashi Hara/Getty Images

 それを、他の選手たちも感じたんでしょうね。僕らはそのトレーニングを『菅野塾』と呼んでいるんだけど、当初は(参加メンバーが)ふたりくらいだったのが、今では10人以上に増えている。これも、松浦がひとつの"成功体験"になって、他の選手たちに影響を与えた結果。まあ、その分、菅野さんが大変になっているんだけど(笑)」

――松浦選手の活躍をはじめ、今季は多くの選手が積極的な仕掛けを見せているイメージがあります。先ほど、監督も触れていたように、シュート数ではほとんどの試合で相手を上回っています。

「それだけ攻撃的なサッカーができている、ひとつの証拠だと思う。それが、ゴール数に直結しなければ意味がないところもあるけど、今いる選手たちで、自分の思い描いてきた"攻守一体型のサッカー"ができるチームに近づいてきている」

――J1に復帰して3年目、監督就任から数えれば5年目を迎えて、自分が理想とするサッカーに近づきつつある、ということですか。

「思い起こせば、就任1年目は『とにかくボールにいけ。(相手を)潰しにいけ』というところから始まった。それから段階を踏んで、ようやくコンパクトなサイズの中で、ボールを奪うエリアを自分たちで確定させて、意図して奪えるようになった。なおかつ、ボールを奪ったあとの攻撃を絵に描きながら、守備もできるようになってきた。

 先ほど触れたF・マリノス戦の(前半37分に決めた)松浦の先制点は、まさにチームとして意図した守備からボールを奪って、うまくゴールまでつながった形。レイソル戦で、山田(大記)がミドルシュートを決めたゴールもそう。ここまでの試合のなかでは、その2得点が印象的だった。(ボールを奪ったあと)後ろから飛び出してきた選手が得点に絡むシーンが、昨季よりも明らかに増えている」

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