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リーグ杯を負けた岩政大樹は妻の前で
号泣。「あのとき覚悟が決まった」

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko  井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

遺伝子 ~鹿島アントラーズ 絶対勝利の哲学~(18) 
岩政大樹 後編

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「A代表といっしょにトレーニングをしたり、ワールドカップの試合も見ました。すごく光栄なことだし、幸せな時間でした。今回の遠征を実現していただいたこと、そして招集してもらえたことに感謝しています」

 日本代表のベースキャンプ地、カザンで合宿を行なっているU-19代表の安部裕葵(ひろき)はそう振り返った。非公開で行なわれたA代表対U-19代表との紅白戦では、A代表側の一員として戦ったようだが、「非公開だったから」と詳細は語らず。それでも「周りの選手がやっぱりうまい先輩方なので僕の負担も少ないですし、やりやすくてびっくりした」と話してくれた。

 そして、初戦のコロンビア戦。続くセネガル戦を観戦。大迫勇也、柴崎岳、昌子源と、代表のセンターラインに立った鹿島アントラーズ勢の姿にも心打たれたようだ。

「先輩方が戦っている姿を見て、僕が今いる鹿島アントラーズというクラブの偉大さを感じました。僕もそのようにならなくちゃいけないと思います。僕が所属しているチームをすごく光栄に思えた。自分はそういう環境でプレーしているんだと、試合を見て改めて感じました。鹿島でプレーし続ければ、先輩のようになれるチャンスがある。道が見えやすい良い環境にいると思います」

 A代表は安部にとっての目標のひとつだが、先を見すぎず、自身の足元を見つめて日々を精進するという意識は揺るがない。秋にはU-20W杯予選を兼ねた、U-19 アジア選手権が控えている。

「どんなメンバーで戦うのか、僕が入るのかもわからない。だから、僕がやることというのは、チームでいい準備をし、代表に呼ばれたときに、いかに力になれるかだと思っている。自分のレベルアップのために、日々練習をしていきたい。そうすることで、日本のためにも鹿島アントラーズのためにもなると思う」

 7月中旬にリーグ戦が再開すると、ルヴァンカップ、ACL、そして天皇杯と数多くの試合をこなさなければならない。安部がチームで存在価値を示すチャンスも数多く用意されているということだ。

 緊張することも不安になることもなく、淡々としていると自己分析する安部。彼がカザンで感じたものをどう鹿島で表現できるのか? 

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