2018.07.07

塩釜FC時代の遠藤康は
「鹿島からオファーが来るとは思わなかった」

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

遺伝子~鹿島アントラーズ 絶対勝利の哲学~(19)
遠藤康 前編

岩政大樹の証言から読む>>
 

遠藤の言葉からは控え組の重要性が伝わってくる  7月5日、ワールドカップロシア大会を終えた日本代表が帰国。そのなかに植田直通の姿はあったが、残念ながら彼がその大会のピッチに立つことはなかった。大会中選手への取材は時間が限定されるため、なかなか彼の話を聞くことはできなかったが、6月27日グループリーグ最終戦となるポーランド戦前日に訊いた。

 「今までとやることは変わらない。(試合に)出ようが出まいが、もう総力戦だと思う。明日もチーム一丸となって戦うことには変わりはない。どの立場でもしっかりとチームをサポートしたい。僕もしっかりと準備をしたい。ピッチに立ちたいという気持ちのない選手はいないと思います。でも、そういうベンチの選手が大事だと僕は思っている。そういった選手たちの気持ちの持ちよう次第で、チームの方向性が変わると思うし、なんで自分が試合に出られないんだと、どこかに当たってしまうようなことがあれば、チームも必ず悪くなると思う。僕もいままでそういう経験をし、やっぱりベンチメンバーに戦える選手たちが揃えば、チームもかなり上のほうまで行ける。だから、自分たちは気持ちを高く持ち、日々の練習を100%で取り組みたい」

 植田自身、鹿島アントラーズではベンチを温める時期を過ごしている。

 「あのときの経験は非常に生きている。(ロシアで)思い出すこともあります。ネガティブな感情の自分を押し殺して、チームのために働くことが、どれだけ大事かっていうのをわかっている。だからこそ、今の自分があると思う。同時に試合に出ている自分も知っている。出られない悔しさもわかるし、どっちも経験しているからこそ、今があると思います。常に悔しい気持ちはある。歯がゆいというか、試合に出たいという気持ちが一番強い」
 
 その想いをエネルギーにベンチでやるべきことを果たせた。そんな植田たち控え組への賛辞も忘れてはいけない。