20年前に起きたJリーグ最大の悲劇。
そのとき「F」の選手たちは...

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 マリノスのサポーターも"吸収合併"には断固反対だった。同じ都市のライバル同士であり、両チームの成り立ち、クラブのスタイル、個性などはまったく異なっていたからだ。

 財政面の問題解消のため、「同じ横浜市のクラブだから」というくくりでチームをひとつにする。そんな乱暴なやり方に、双方のサポーターが納得するはずがなかった。

10月31日、クラブ側とサポーターとの話し合いは深夜にまで及んだ。photo by Kyodo News10月31日、クラブ側とサポーターとの話し合いは深夜にまで及んだ。photo by Kyodo News 横浜国際総合競技場での話し合いは4時間以上にも及んだ。話し合いは決着することなく、会場が閉じられたあとも300人のサポーターが残り、スタジアムの外で話し合いが続いた。

 夜が深まり、日付が変わっても話し合いは続いたが、クラブからは何ら納得のいく回答は得られず、午前2時に一旦仕切り直し、ということでその日は散会となった。

「(サポーターが)話し合いを継続している中、僕ら選手も何もせずに黙っているわけにはいかない。チームの存続のために『やれることをやろう』と、次の日からマリノスとの合併撤回を求める署名運動をすることにしたんです」

 チーム存続に向けて、選手とサポーターの"戦い"が始まった。

(つづく)

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