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中田浩二は考えた。「元選手が
経営サイドに身を置くことは重要だ」 (2ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko   井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki


「サッカーに関わる仕事は、指導者だけではないだろうという思いがありました。日本のサッカーをよくしていくうえで、元選手が経営サイドに身を置くことの重要性を感じたんです」

――メディアやスポンサー、サポーターとクラブとを繋ぐC.R.O.を3年あまり務めての実感や手ごたえとはどんなものですか?

「たとえばスポンサーさんのもとへ行けば、とても喜んでもらえます。そこは元選手という僕の強みだと感じます」

――現在、トップチームをどのように見ていますか?

「客観的に見ています。練習を見る機会はあまりないですが、試合を見て、感じることがあれば、選手に声をかけます。特に若い選手。ちょっと悩んでいるのかなと思えば、クラブハウスで会ったときに自然と声をかける。そこは先輩という感覚かもしれませんね。

 でも、僕は強化部でもないし、監督でもコーチでもないから。事業部の僕はチームに干渉する立場ではない。でも、元選手、元チームメイトということで、話しやすいことがあるかもしれないし。そこは、適度な距離を保ちながら、『どうなの? なんか元気ないじゃん』と声もかけられるので。

 C.R.O.というのは、クラブと外部とのリレーションという役割でもあるけれど、クラブと選手とを繋ぐ仕事でもあるなと。

 たとえば、事業部としては、スポンサーやサポーターとトップチームとの距離を近づけたいと考えるけれど、同時に選手の負担になることは避けたい。そういうときに、『ここまでなら大丈夫』とか、『これは難しいかな』という意見を出すこともできます。

 基本は選手がサッカーに集中できる環境を維持することが重要ですが、サポーターやスポンサーなど、自分たちを支えてくれている人たちの存在を選手にも理解してもらいたいという気持ちもあります。だから選手サイドにも元選手として、意見を反映させながら、距離を縮めていくことができればと」

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