「鳥栖とともに...」と言い続けてきた
豊田陽平が韓国行きを決めた理由 (4ページ目)
「自分は鳥栖に本当に必要とされているのか?」
豊田は「我慢が自分の人生」と言い切るほどに、求道心が強い。己と戦うことで、今の成功をつかみ取った。答えを探す旅に出るのは必然だったのかもしれない。
過去に、Jリーグの他のクラブから倍の年俸を提示されても動かなかった。欧州のクラブからのオファーにも、首を横に振っている。「利」や「理」では決して動いていない。しかしプレーしたいという欲求は、サッカー選手にとってほとんどすべてである。
「選手生活はあと5年。残された時間は長くはありません。その中で、選手として後悔がない戦いをしたい。最近、次男がサッカーを好きになってきたようで。次男にもパパがサッカーをやっているところを見せたいなというのはありますね」
豊田はそう洩らしていた。
「プレイする喜びを取り戻したい」
その言葉が、今回の移籍理由に尽きる。かつて鳥栖を率い、尊敬するユン・ジョンファン監督が2016年まで率いていた蔚山現代に移籍するのも運命か。豊田にとって、存在証明を懸けた戦いになる。
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