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まんまとハメられた浦和レッズ。
戦術家の策に敗れ、レアル戦は夢に...

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Tom Dulat - FIFA/FIFA via Getty Images

 攻めてはいるものの、チャンスを作り切れず、焦って前がかりになったところでカウンターから失点――。想定しうる敗戦のシナリオとしては、かなり"ベタ"なものだったが、それにまんまとハマってしまったのだから、悔しさは倍増だ。

 FIFAクラブW杯準々決勝。10年ぶりにAFCチャンピオンズリーグを制し、アジア王者として出場している浦和レッズは、UAE王者のアルジャジーラ(開催国枠で出場)に0-1で敗れた。

 浦和はこの試合に勝っていれば、次の準決勝ではヨーロッパ王者にして、前回大会王者でもあるレアル・マドリードとの対戦が待っていたのだが、そんな"ビッグマッチ"も夢と消えた。

 結果論を承知で言えば、試合開始直後から浦和には危うい雰囲気が漂っていた。ボールは保持しているのだが、有効な攻撃を繰り出せない。相手の強固な守備ブロックによって中央のパスコースを切られ、外へ外へと追い出されてしまうばかりで、手詰まりになることが多かった。

 浦和の堀孝史監督は、MF矢島慎也の起用理由について触れた際、「攻撃の最後の部分のバリエーションを増やしたかった。今日の相手に対してサイドから攻撃するという意図」があったことを明かしたが、結果としてサイド攻撃が効果を発揮したとは言い難い。

 確かに、堀監督が「前半に1点でも取れていれば......」と悔やんだように、浦和が攻勢に試合を進めるなかで先制できていれば、試合展開はまったく違うものになっていただろう。FWラファエル・シルバもまた、「前半に多くのチャンスがあり、試合を決めることができたはずだった。前半に得点していれば、こういう試合にはならなかった」と敗戦を振り返った。

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