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栃木SCがギリギリで「泥沼」から脱出。
J3の過酷さが身にしみた... (6ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「最低目標のJ2昇格はできた」と言いながらも、「最後に失速し、全部よかったと喜べない心境がある」と語る指揮官は、夏の移籍で獲得したペチュニクの活躍を挙げ、「チーム戦術やまとまりは大事だが、タレントのある選手が必要なんだと改めて思った」と、戦力補強の必要性を示唆する。

 今季、栃木のチーム総得点44は、J3で5位タイ。加えて、8ゴールの西谷がチーム得点王では、J2昇格を果たしたチームとしてはあまりに寂しい。来季、1ランク上のカテゴリーで戦うことを考えれば、指揮官が少なからず危機感を覚えるのも当然のことだろう。

 それでも、「J3を戦い抜いたことは力になる」と廣瀬が語るように、雌伏の時を過ごした2年間は、間違いなく栃木というクラブをパワーアップさせたはずだ。この2年間が無駄ではなかったことを、栃木は来季以降の戦いで証明していかなければならない。

廣瀬が続ける。

「J2では、自分たちの力を出し切れないと勝てない。やることを変えず、目の前の試合で力を出し切るところを栃木のストロングポイントにしてやっていきたい」

 J3降格から2年。長く苦しい時を経て、栃木はようやくスタートラインに戻ってきた。

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