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栃木SCがギリギリで「泥沼」から脱出。
J3の過酷さが身にしみた... (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 2年連続でのシーズン終盤の失速。またしても、最後の最後でJ2昇格を逃すのか。そんなムードが、少なからず漂い始めたときだった。

 77分、栃木のCKを沼津がクリアし切れず、2度3度と力なく宙に浮いていたボールが、栃木のDF菅和範の目の前へ転がる。菅は「自分が打とうかと思ったが、ネイツが横にいたので」、右でフリーになっていたFWネイツ・ペチュニクへパス。これをペチュニクが左足で冷静にゴール左スミへ蹴り込んだ。栃木の横山雄次監督が語る。

「(先制された後も)チームとして大崩れせず、0-1のままいけたことが追いついた要因だと思う。年間を通して大事にしてきた『全員攻撃、全員守備』を、チーム全員がしっかりまとまって出すことができた」

 昨季の悔しさを知る菅も、「失点は早い段階だったが、取り返せるという強い気持ちがあった。(先に)失点する試合も経験しているし、逆転も経験している。1年間の積み重ねがここで生きた」と胸を張る。

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