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栃木SCがギリギリで「泥沼」から脱出。
J3の過酷さが身にしみた...

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 今季J3は、最終節で頂上決戦を迎えた。

 首位に立つ栃木SCがアウェーに乗り込んでの2位アスルクラロ沼津との一戦は、勝ち点59の栃木が勝てば、文句なしの優勝が決定する。一方で、勝ち点58で追う沼津が勝っても、まず間違いなく優勝を決めることができた(沼津と同勝ち点の3位ブラウブリッツ秋田は得失点差で10点以上あったため)。長いシーズンを締め括る最終節としては、最高の舞台設定である。

J3優勝は逃したものの、最終節でJ2昇格が決まった栃木SCJ3優勝は逃したものの、最終節でJ2昇格が決まった栃木SC しかし、J3優勝をかけた大一番は、両者の間に微妙な熱量の差があったことは否めない。この試合がどんな結果で終わろうと、J2参入に必要なライセンスを持たない沼津は、J2へ昇格することができないからだ。

 対照的に栃木は、J2昇格への募る思いがこれ以上ないほどに高まっていた。一昨季にJ2で最下位(22位)に終わり、J3降格。1年での復帰を目指した昨季も、J3で2位となりながら、J2・J3入れ替え戦でツエーゲン金沢に敗れ、J2昇格を逃していた。

 12月3日、試合会場となった愛鷹広域公園多目的競技場のスタンドは、アウェー側ゴール裏は言うに及ばず、メインスタンドもおよそ半分を栃木の黄色のユニフォームが埋めていた。仮に優勝を逃したとしても、入れ替え戦がなくなった今季は、2位以内に入ればJ2復帰が確定する。

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