未完成のグランパス。
「第2次風間革命」の嵐はJ1で吹き荒れるのか
終わってみれば、妥当な結果だった。
「J1行き」の最後の切符をかけたJ1昇格プレーオフ決勝は、レギュラーシーズン3位の名古屋グランパスが4位のアビスパ福岡と引き分け、リーグ戦上位チームのアドバンテージを生かして1年でJ1復帰を果たした。
まさかの降格から1年、名古屋グランパスは見事にJ1へ返り咲いた 立ち上がりから積極的だったのは、福岡のほうだった。
勝利のみが求められた福岡は、ハイプレスと鋭いサイドアタックを駆使し、名古屋ゴールに迫る。19分にはMF山瀬功治のミドルがバーを叩き、FW仲川輝人がこぼれ球に詰めたものの、名古屋のGK武田洋平の素早い対応にあってゴールはならず。それでも、勝利への執着心を示した福岡は、名古屋の足をすくう予感を十分に漂わせていた。
しかし、名古屋に動じる気配はなかった。福岡の攻勢を後方でしっかりとしのぐと、長身センターフォワードのシモビッチをめがけたシンプルな攻撃で次第に相手を押し返していく。
「名古屋さんは、今までのスタイルとは少し変えて、シモビッチにロングボールを蹴りながら、割り切ってやっていた。そのセカンドボールを拾われて、押し込まれる時間が増えていった」
福岡の井原正巳監督は名古屋の変化に対応しきれなかったと明かしたが、それはスタイルを変えてまでも勝利を求めた名古屋の覚悟の表れでもあった。
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