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「ラモスの教え」。監督・永井秀樹が、
ヴェルディユースで目指すもの (7ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 下部組織の場合、大会の成績がそのまま、育成に長けているかどうかの判断にはならないかもしれないが、2017年シーズン、ヴェルディの下部組織からトップチームに昇格したのは、MF渡辺皓太ただひとり。この現状を見ただけでも、「育成のヴェルディ」とは呼べなくなっているように感じる。

 ちなみに、同じ東京をホームタウンとするFC東京は、2017年シーズン、下部組織から4人も昇格している。

 こうした状況を踏まえて、永井はこう語る。

「2020年の東京オリンピックまでに、トップチームがJ1で優勝争いに加わるくらいにならないと厳しい。『ヴェルディ』というブランドの価値は、今の子どもたちの親となる世代までは理解してくれるかもしれないけど、20代から下の世代となるとそうはいかない。現状、もし関東の子がJクラブの下部組織に入りたいと思ったら、『やっぱ浦和レッズでしょ』とか『FC東京か、フロンターレ、マリノスかなぁ』と言った会話になる。『ヴェルディは?』と聞けば、『ああ、あのJ2の?』くらいの認識じゃないかな。

 だから、ある程度のスピード感を持って改革を進めていかないと、厳しいと感じている。(2009年に)J2に再び降格して、まもなく10年の時が経つよね。この状態のまま、もうひと世代、変わってしまえば、ヴェルディは完全に忘れ去られてしまうよ」

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