「ラモスの教え」。監督・永井秀樹が、
ヴェルディユースで目指すもの (8ページ目)
ヴェルディのために今の立場でできること――それは、現在ユースでプレーする選手の中から将来のヴェルディを背負う人材を、ひとりでも多く育てることだと永井は考えている。そのためにも、クラブ自体に理想とするサッカーがあり、サッカースクールの延長のような生ぬるい環境ではなく、人間教育のしつけを含め、厳しさのあるプロ予備軍を備えること、それらのことを成熟させられる環境が早急に必要だと思っている。
「(理想とするサッカーは)『ラモス瑠偉』のような絶対的な司令塔がいなくても、常にグループでボールを保持して数的優位な状況を作り、ゴール前でたくさんのシュートチャンスを生み出せるスタイル。(選手は皆)基本となる個人スキルを保持して、ピッチ上の11人全員が同じ価値観を持ち、常に同じイメージを共有してプレーできること。さらに、試合に出場していないメンバーも、同じ価値観、同じイメージが持てることが大事だよね。
そういう意味でも、今日のようなレギュラーメンバーが5人いない状況というのは、逆に新しい発見や学びができるチャンスだと改めて思った。自分が目指しているのは、控えやベンチに入れない選手も含めて、誰が出ても同じサッカーが実践できる仕組み作りだから」
はたして永井は、首位フロンターレU-18との試合で、どんな"発見"や"学び"を得られたのだろうか。
(後編につづく)
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