ゴールの余韻に浸ることなく...。「試合を閉じた」アントラーズの強さ

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 鹿島アントラーズの強さを垣間見たのは、得点直後だった。

 11月5日、浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグ決勝に進出した関係で、他のカードに先立って「鹿島vs.浦和」のJ1第32節は行なわれた。

得点直後に集まって話し合いを試みる鹿島ディフェンス陣得点直後に集まって話し合いを試みる鹿島ディフェンス陣 勝てばJ1連覇を大きく手繰り寄せる一戦で、鹿島が試合を決めたのは後半35分だった。右サイドバックの西大伍が上げたクロスに、MFレアンドロが大外から走り込む。右足でうまく合わせると、GK西川周作の股間を抜く値千金のゴールを決めた。待望の得点に攻撃陣は抱き合って歓喜する。殊勲のレアンドロはベンチに駆け寄ると、同郷であるDFブエノと熱い抱擁を交わした。

 彼らが喜んでいるなかで目を引いたのは、その後の行動である。キャプテンマークを巻くMF遠藤康のほか、DF陣が中心となって自然に集まると、何やら話しはじめた。DFリーダーの昌子源がその場面を振り返る。

「まずは剛さん(大岩剛監督)に(その後を)どうするのかを聞いた。守り切るのか、それともちょっと前から行って相手にアプローチするのか、という話をしました。でも、そこは最終的に自分らで判断したところが大きい。だから、(金崎)夢生くんから判断して、(前から守備に)行くところと行かないところもあった。そこはうまく対応できたかなと思います」

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