60歳ラモスの怒声とパス。永井秀樹が引退試合で伝えたかったこと (6ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

「今日で、サッカー選手としては卒業しました。ヴェルディを思う気持ちは、みんなと同じです。みんなとともに、このヴェルディを必ず再建して、チャンピオンチームにしましょう」

 少年時代、永井の夢は「W杯に出場して世界の舞台で活躍すること」だった。その夢が叶うことはなかった。しかし、25年という長きにわたって現役を続け、子どもの頃から憧れだった緑のユニフォームを再び着て、最後のときを迎えることができた。そして今、永井は「新生ヴェルディの再構築」という大きな仕事を託され、休むことなく指導者の道を歩み始めている。

 引退試合を終えて、永井と待ち合わせをした赤坂のレストランに向かおうとしたとき、周囲は土砂降りの雨に見舞われた。

『奇跡』という言葉は、簡単に使うべきではない。だが、"永井秀樹"という男は、誰もが難しいと思うような出来事を何度も乗り越えて、四半世紀にもわたってプロサッカー選手として活躍し続けた。

 そう考えると、ヴェルディがJ1に復帰し、いつの日か再びJリーグの王者となる日が来るのではないか。そんな"奇跡"が起こることを期待せずにはいられない。

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