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早くも「戦術はポドルスキ」。
世界王者は日本人FWとどこが違うのか  (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 一方で、「年俸6億円の価値はあるのか?」という意地悪な見方もないわけではなかった。2014年、ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランは「ワールドカップ得点王」の看板を背負って、年俸6億円でセレッソ大阪に入団。結果は期待はずれに終わった。本人の実力や、やる気よりも、しっかりと受け入れる態勢ができなかったとも言えるだろう。

 大宮戦、神戸は重い立ち上がりを見せている。じめじめとした暑さもあるのだろうが、足が動かない。パスを回され、ほとんどチャンスを作り出せなかった。ポドルスキも前線で孤立した。

「前半は前からプレスに行けず、自由にボールを持たれてしまった」

 神戸のネルシーニョ監督は説明したが、ドイツ人スターの運動量の少なさをチクリと示唆している。チーム戦術としては機能性に乏しかった。ポドルスキの守備の負担を周りがカバーせざるを得ないのだ。

 ところが、個人が戦術そのものになることもある。

「ポドルスキの左足シュートはすごい」

 神戸の選手たちは口を揃える。練習でもアタッカー陣が突っ込んで、そのこぼれをポドルスキがエリア外から突き刺す。それがひとつのパターンになりつつあるという。

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