枠があっても「外国人FWはいらない」
というジュビロ名波監督の思惑 (4ページ目)
――いつ頃から、互いのすり合わせがうまくできるようになったのでしょうか。
「俊輔も『オレがこうしたときに、おまえはこう顔を出せ』というようなことを、最初から言うタイプではないですからね。俊輔も、こうしてやったほうがいいかな、これは言わないほうがいいかな、と悩みながらやっていたみたいです。きっと、ストレスをためながらやっていた部分はあったんでしょう。
それが最近はふたりの会話も増えてきて、やっと駿も俊輔の"取り扱い説明書"がだいぶ分厚くなってきたんじゃないかな。第8節の鹿島アントラーズ戦(3-0)あたりから、駿と俊輔の関係性がグッと高まったような気がします」
――名波監督も俊輔とはよく話をするんですか。
「もちろん。こうしたほうがいいんじゃないかとか、いろいろとコミュニケーションをとるなかで、新しい発見もありますよ」
――新しい発見というと。
「例えば、(第16節の)FC東京戦の前日に、試合前日にはあまりやらない紅白戦をやったんです。俊輔から『しっくりこない部分があるので、もう一回やっておきたい』という提案があったので。その紅白戦では、前半は1トップ+2シャドー、後半は2トップ+1トップ下でやりました。
そして、試合後にコーチ陣を集めて、どっちがよかったかと聞いたら、全員が2トップ+1トップ下のほうが、バランスがよかったと。ところが、俊輔だけでなく、DF大井健太郎やMFムサエフなど、選手5人くらいにひとりずつ話を聞いていったら、全員一致で『1トップ+2シャドーのほうがいい』と言うんです。だったら、それでいこうということになりました」
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