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枠があっても「外国人FWはいらない」
というジュビロ名波監督の思惑 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

――名波監督は昨季、「うちは横から縦へという展開が少なく、スルーパスも少ない」と話していましたが、今季の磐田にスルーパスが増えているのも"俊輔効果"ですか。

「スルーパスが少なかったのは、出し手が見てない、あるいは受け手がもらおうとしてないというような、ふたりの関係性だけが原因ではなかったと思っています。今季のジュビロは俊輔が入ったことでボールが収まり、彼が前を見てくれるので、周りの選手には『俊輔にボールが入るだろう』という予測が立ちやすくなりますよね。それを予測しやすくなると、選手は頭で考える前に、たぶん体が自然と動き出すんですよ。

 ということは、3人目の反応がよくなる。3人目が反応よく入ってくれば、受け手はそれが目に入るから、『あっ、クサビに顔を出さなきゃ』となる。今はまだ、受け手の動きが(3人目の動きの)後追いかもしれないけれど、結果として連動性が生まれてきている。これが後追いではなく、もっとオートマティックになれば、より中央突破の回数も増えると思います」

――MF川辺駿(かわべ・はやお)選手などは、前へ出ていくタイミングがとてもよくなったように見えます。

「実は今季開幕前のキャンプでは、最初の1カ月近く、どの練習でもわざと川辺を俊輔とは組まさなかったんです。紅白戦や対外試合はもちろん、3対3とか、5対5の練習とかでも、1月中は同じチームにしなかった。駿は番記者さんたちに俊輔について聞かれると、ふてくされて『僕、一回も一緒にやっていないんで』と愚痴っていたらしいですけど(笑)」

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