欧州派遣Jコーチに聞く「日本人選手が10代後半で伸びなくなる理由」 (4ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

――日本にいたら、現地で経験を積まれている方との接点自体が限られますね。

「限られるし、マリノスにいながらその話を聞くのと、ここにいて聞くのとでは、感受性が違うと思うんです。そういう人たちの意見や考えを、日本協会、Jリーグももっと参考にさせてもらったらいいだろうなと思ったりもします」

――指導者が国際経験を積むことのメリットはわかるのですが、結果を出すのにはどうしても時間がかかりますよね。

「たぶん国内である程度のレベルで指導をするのだったら、さほど国際経験は必要ないと思うんです。でも、僕が指導していた15歳の選手たちは、Jリーグだけでなく、海外を目指していると口にします。子供が目指しているのに、そこのかけらも知らない指導者が教えていたら、その選手たちの到達点は伸びていかないと思うんです。やはり指導者もサッカーの本場である欧州を肌で知ることが必要だし、今回のプロジェクトのように、たとえ1年でも、知っているのと知らないのとでは、ちょっとした指導アプローチも違ってくるんじゃないかと思います。もちろん、欧州で指導し続けてチャンピオンズリーグに出るチームの監督になりたいという話だと、まだまだ大変な時間がかかると思いますが」

――指導者の海外研修は今後、もっと重要視されるようになりますか?

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