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欧州派遣Jコーチに聞く
「日本人選手が10代後半で伸びなくなる理由」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

アンデルレヒト(ベルギー)に1年間、派遣されている坪倉進弥氏アンデルレヒト(ベルギー)に1年間、派遣されている坪倉進弥氏――日本のクラブに外国人のコーチが来たときのことを想像すると、そんな環境を作るのは難しそうですね。

「仮にベルギー人の指導者が日本に来たら、その人に気を遣っちゃって、そういう日常は作れないでしょうね。こちらでは、全然気を遣ってない雰囲気の中で、一歩入ったらすんなり受け入れてくれる感じがあります」

――話は変わりますが、U-15、16くらいの若年層までは、日本は強い印象がありますが、大人になるにつれて世界に通用しなくなるような気がします。どう思われますか?

「僕もそこを知りたいです。ひとつにはフィジカルの要素があると思います。U-17からU-20くらいになると、強さ、速さ、高さに差が出てきますよね。ふたつ目の要素として、U-18からU-20前後で試合の経験値の差が出る。ヨーロッパのほうが場数が多いし、緊張度の高い試合が確保されている。この2点は日本にいるときからなんとなくそうだなと感じていて、こちらに来て実際に確認できたことです。

 もうひとつ。先日オランダのアヤックスに行き、白井さん(裕之氏。アヤックスのユース年代専属アナリスト)と会ってお話をしたんです。その時に、三つ目の要素のことをおっしゃっていました。日本の選手のよさとして、瞬間、瞬間で即興のプレーができる。お互いわかりあえるし、隣の人のことを気にかける習慣ができているから、隣の人の動きを気にしながらやるということはすぐできる。サッカーにおいてもその特徴が出て、アヤックスの指導者がJリーグ選抜とアヤックスの試合を見た時に、『いつも思うけど、どうして日本人は即興の連続でプレーできるんだ?』と言うらしいのです。

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