人材難の日本代表SB。
「堂安律のコンバート」を福田正博は提案する (3ページ目)
SBを育てるためには、4バックのフォーメーションを採ることが大前提となる。しかし、4バックを実践するにはCBが2人揃わなければならない。国内には2人で守りきれる能力を備えたCBの人数が限られているため、Jリーグには3バックを採用するチームが多くなっている。
4バックと3バックの違いは、単にDFラインの人数が違うだけではない。3バックで守る場合、3人のCBと両ウイングMF、5人のポジショニングの距離が近く、スペースも狭くなるため、数的優位をつくりやすい。一方で4バックでは、2人のCBと両SBの綿密な連携がより重要になってくる。
たとえば、左サイドを攻められた際、ボールの逆サイドに位置する右SBは、相手選手をケアしながらゴール前中央に絞るなど、ポジショニングに細やかな決まりごとがある。これは攻撃時も同様で、右SBが攻撃参加している時は、左SBはカウンターに備えて、やや下がり目のセンターサークル寄りのポジションを取る。
このように、SBには攻撃参加のタイミングを見計らうだけではなく、瞬時に的確なポジションを取る能力も求められる。それらの判断ができるようになるには、試合で経験を積むことが大切なのだが、先ほども述べた通り、3バックを採用するチームが増えているJリーグではその機会自体が減少傾向にある。
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