スペインの名将がヴェルディで実践する
「J2を戦うためのサッカー」 (5ページ目)
そこに京都戦で引き分けられなかった理由はある。
しかし、スペインで数々の修羅場をくぐり抜けてきた指揮官が弱音を吐くことはない。そもそも、アランも昨シーズンわずか3得点のFWにすぎない。今シーズン、有力外国人選手やJ1レギュラークラスを補強したわけでもない。一長一短ある選手たちをまとめ上げ、戦うしかないのだ。
手駒を見極め、最善の戦いを準備する。その点、ロティーナは腹を括(くく)っている。
「敵中深くまで攻め入れるようになってきているし、悪いことばかりではない。センターバックも難しいことをせず、堅実になっている。次に向かうよ」
そう言って去る指揮官は、顔中の皺(しわ)を深くした。
5 / 5