スペインの名将がヴェルディで実践する「J2を戦うためのサッカー」
5月21日、味の素スタジアム。J2リーグ第15節、東京ヴェルディは京都サンガを迎え、1-2と逆転負けを喫している。
「少なくとも、引き分けられた試合だった。今ある戦力でどうやりくりしていくのか。それだけだよ」
試合後、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(59)は静かに言った。百戦錬磨のスペイン人指揮官は、ひとつの敗北を気に病むことはない。戦いを積み上げ、再び挑むだけだ。
今シーズン、ロティーナが率いるようになって、ヴェルディは確実に変化を遂げた。昨シーズン、18位で残留争いをしたチームは、京都に敗れた後も、なお5位につける(15節終了現在)。首位に立つアビスパ福岡まで4ポイント差と肉迫している。
はたしてロティーナはチームに何を施したのか?
京都戦を見つめるロティーナ監督(東京ヴェルディ) ロティーナは1970~80年代、選手としてリーガエスパニョーラ1~3部のチームを渡り歩いている。400試合以上に出場。エリア内で泥臭くゴールを狙うストライカーだったという。
88年、31歳で指導者に転身し、故郷ログロニェスのユース監督としてスタート。以来、ログロニェスB、ログロニェスと順調にキャリアを積み重ねていった。
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