エスパルスを蘇らせた鄭大世の一撃。
降格した2年前の脆さは消えた (3ページ目)
「どうプレッシャーにいっても決定機までもっていかれるので、守備をしている意味がわからなかったし、プレスをかけても何の効果もない。サンドバック状態で、手も足も出ないとはこのことだなと思っていました」
それでも「誰もあきらめている選手はいなかったし、1点獲れば流れは変わると思っていた」と話す鄭大世の心は折れていなかった。64分に生まれたスーパーゴールは、まさにイチかバチか。「たまたまいいコースにいって、たまたま入った。あのシュートはコンスタントに打てない。運もだいぶ味方してくれたと思います。5試合溜め込んでいた運ですね」と謙遜するが、「1点獲れば流れは変わる」と信じていたからこその"イチかバチか"だった。
実際に流れは変わり、逆転まで実現している。ただし、そのまま逃げ切れなかったのが、今の清水を象徴するだろう。逆転からわずか3分後、中央を崩されて、興梠にハットトリックを許す同点ゴールを奪われてしまったのだ。
今季、J1に復帰した清水は第11節を終えて3勝4分4敗で12位の成績だった。昇格チームとしては健闘しているものの、前述したようにここ5試合勝ち星から見放されていた。
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