7季ぶりJ復帰の細貝萌が語る。「実は日本人監督、初めてなんです」 (4ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO SPORTS

──人としての成長というのはどういうことですか。

「ドイツ語や英語の言葉がわかるようになったとか、知り合いがたくさんできたとか、日本とは異なる文化の中で適応してきたとか、そういうことは人としてとても重要なことだと思う。異文化の生活の中でも言葉ができれば大人になれるところもあるし、余裕ができたりもする。そういうことも含め、人としての強さは間違いなく一番成長したと思います」

──それにしても移籍先は浦和ではなく、柏なんですね。

「浦和には6年間お世話になったから、もちろん悩みました。それに浦和には同世代が多い。槙野、柏木、宇賀神が一個下で、同い歳に梅崎、西川、興梠。阿部さんも知ってるし、青木くんだって前橋育英の後輩だから知ってる。単純に溶け込みやすいんですよ。プレーは別にして、スタッフもマッサーもドクターも、なんならロッカーの使い方だって知っているわけですから。帰国中に浦和のクラブハウスに挨拶に行ったとき、監督室でペトロヴィッチ監督と話したこともあるから、彼の人間性も知っている。

 だけどすべて初めての柏ではそうはいかない。これから若い選手たちでやっていこうというチームに、30歳で入るのは本当に挑戦なんです。でも、自分には新しい刺激がないといけないと思った。浦和にいればプレーだけに集中できるかもしれない。でも、ここでは"それでよし"という感じではない。若い成長過程の選手に、いろいろなことを感じ取ってもらわないといけない。役割が変わるところのほうが、今の自分には合っているな、と。選手としてはともかく、1人の人として成長できる可能性が高いんじゃないかと思って」

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