首位ヴィッセル神戸の強さはホンモノか、
それとも相手が下位だからか (4ページ目)
また、長いシーズンのなかでは、負傷者や累積警告による出場停止の穴埋めも、当然考えておかなければならない。そんなとき、彼らは計算できる戦力として貴重な働きをしてくれるはずである。
ただし、快調に首位を走る神戸にも、ケチのつけどころはある。というのも、ここまでに対戦した相手は下位クラブがほとんどなのだ。5勝した相手のなかで、最上位は9位の清水(第6節終了時順位)。唯一上位同士の対戦となった浦和戦には敗れており、絶好のスタートダッシュも、単に対戦順に恵まれただけと言えなくもない。
しかし、敗れた浦和戦にしてもネルシーニョ監督は選手のファイティングスピリットを称え、その価値の高さを認めている。岩波もまた、「負けはしたが、完璧に崩されたという感じはない」と振り返り、今季唯一の敗戦も、むしろ選手たちに自信と手応えを与えるものになっていることを裏づける。岩波が続ける。
「もっともっと自信をつけて、上(の順位のクラブ)と対戦したい」
一戦一戦の戦いに手応えを感じられるからこそ、岩波は「首位はあまり意識していない」とそっけない。ネルシーニョ監督からは優勝するのに必要な勝ち点として「6試合で12ポイント」をノルマに課されていたといい、岩波は順位以上に、監督の要求をクリアできたことに満足感を示す。
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