Fリーグ10年目で初の1位陥落。「絶対王者」名古屋は返り咲けるのか (2ページ目)

  • 河合拓●取材・文・撮影 text & photo by Kawai Taku

 経験のあるベテランを放出し、愛知県で開催される可能性のある2020年のフットサル・ワールドカップに向けて名古屋は、若い日本人選手を育てることも狙っていた。ただ、彼らにとって最大の誤算は、新たな得点源となるはずだったブラジル代表FPシノエが、シーズン開幕前に「一身上の都合により」退団したことだ。

 さらに「森岡の後継者」となることが期待されたFP平田マサノリも、負傷による長期離脱などでシーズンのほとんどを棒に振った。7月には急遽、日本代表FP酒井ラファエル良男の実弟で、ブラジル代表でのプレー歴もあるFPサカイ・ダニエル・ユウジを獲得した。

 しかし、ダニエルはストライカーというよりも、力強い守備を持ち味としており、得点力を上げることはできなかった。その結果、直近の4シーズンで常に130得点以上を挙げていた名古屋だが、シーズンの総得点数は119にとどまり、競った試合で勝ち切れないことが例年以上に多くなってしまった。

 過去9シーズンは、名古屋が白星を挙げられなかったときに、他クラブがつぶし合うことも少なくなかった。しかし、今シーズンは大阪が抜群の安定感を見せ、第7節で名古屋に7-4で勝利してからは第30節で名古屋に0-1で敗れるまで、17連勝を含む22勝1分けという成績でリーグのトップを独走した。

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