レッズ西川周作「日本の将来のためにも、韓国人GKには負けられない」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 西川は、10年ぶりのタイトル獲得による最大の恩恵は、優勝するために必要なことを全員で共有できたことだという。その「必要なこと」とは、具体的にはどういったことだろうか。

「昨季の総括をする場で、ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)から『大事な試合のときに、自分たちのスタイルを表現できなくて、自分たちらしさを失っていた』と言われたんです。ルヴァンカップのときは、最後はPK勝ちでしたけど、自分たちのスタイルを貫いて勝てた。でも、チャンピオンシップでは、ちょっと怖がったり、いつもやっていることをやらなかったり、できなかったりした。その結果、シャーレを手にできなかった。ミシャが言うように、何かがかかっている試合でこそ、(いつもどおりの)浦和のサッカーを貫くこと。それが、優勝するために必要なことです」

 昨季、レッズが躍進できた要因のひとつは、守備力の向上にある。それは、データ的にも明らかだ。失点は、2015年の「40」から2016年は「28」へと減少し、被シュート数も「325」から「240」まで減っている。とりわけ、被シュート数の大幅な減少から、守備の"質"が上がったことがよくわかる。

「失点が減ったのは、前線からうまくコースを限定し、高い位置でボールを奪ってくれて、相手陣内でプレーする時間が長かったから。プレスが機能して、カウンターを受ける危険もかなり減りました。被シュート数の数字を見ても、それがよくわかります。僕自身、仕事をしなくてもいい試合が多かった。それは、みんなのおかげだと思います。今年も、それをベースにして、さらに質を上げていければ、もっと失点を減らせると思う」

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