ゼロックス杯の明暗。上積みあった鹿島と、
現状維持が精一杯の浦和

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 スコアは3−2と僅差ながら、内容は鹿島アントラーズが大きく上回っていたように思う。浦和レッズの揺さぶりにも動じず、ボールの奪いどころをしっかりと限定すると、そこから素早いカウンターで応戦。相手の背後を鋭く突いて、次々にチャンスを作っていく。MF遠藤康の2得点でリードを奪い、一度は追いつかれたものの、FW鈴木優磨が相手のミスを逃さずに決勝ゴールを奪取。鹿島らしさ全開の試合運びで、昨年のチャンピオンシップのリベンジを狙う浦和の挑戦を、あっさりと退けた。

武藤雄樹の同点ゴールで主導権を奪い返せるかと思ったが......武藤雄樹の同点ゴールで主導権を奪い返せるかと思ったが...... シーズンの開幕を告げる「FUJI XEROX SUPER CUP」は、結果もさることながら、新たなチームへの手応えを掴めるかが重要なテーマとなる。MFレオ・シルバ、FWペドロ・ジュニオールら新加入選手がさっそく存在感を示し、2冠を達成した昨季からの上積みを感じさせた鹿島に対し、浦和は現状維持が精いっぱいのように感じられた。

湘南ベルマーレから加入したMF菊池大介、ジェフユナイテッド千葉から復帰したMF長澤和輝はまずまずのフィット具合を示したが、期待の新戦力FWラファエル・シルバ(前アルビレックス新潟)は負傷のためにピッチに立てず。さらにMF柏木陽介、DF槙野智章ら主力を欠いた分、むしろ昨季と比べてパワーダウンしている印象さえ受けた。

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