堅実にゼロックス杯を制した鹿島。あとは新戦力がもたらす「強引さ」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 昨季の鹿島は、J1と天皇杯の二冠こそ獲得したが、率直に言って選手層の薄さは否めなかった。レギュラークラスにはJ1トップレベルの戦力が揃っていたが、主力と控えとの力の差が大きく、選手層という点では昨季タイトルを争った浦和や川崎フロンターレに見劣った。

 分かりやすい例が、クラブW杯での戦いぶりである。

 リーグ戦からチャンピオンシップ、さらにはクラブW杯と、短期間で立て続けに多くの試合をこなさなければいけないとあって、一昨季にJ1王者として出場したサンフレッチェ広島は、毎試合のように選手を大幅に入れ替え、3位となった。

 それとは対照的に、昨季の鹿島はほとんどメンバーを入れ替えることなく戦い続けた。交代も含めた選手起用を見る限り、実質的な戦力として計算できていた選手は、14、15名しかいなかっただろう。

 つまり、今季、鹿島がJ1とACLを並行して戦い、どちらのタイトルも獲得しようと考えるなら、シーズンオフの補強は必須。それこそがJ1王者の課題だったのだ。そこに注目が集まる中で行なわれた、今季最初の公式戦であるゼロックス杯。鹿島の先発11名には、今季新加入の選手が4名も含まれており、オフに行なった補強の成果をうかがうには絶好の機会となった。

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