中村憲剛の司令塔は妻「彼女と出会って、僕の人生はすべてが好転した」

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

川崎フロンターレ・中村憲剛インタビュー(後編)

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 中村憲剛は、川崎フロンターレ一筋でプレーし、2017年でプロ15年目を迎える。これまで、数え切れないほどのチームメイトとボールを蹴ってきた。それら一人ひとりとの思い出が、自らの成長への糧となり、源となってきた。なかでも、最も刺激を受けた選手をあえてひとり挙げるとすれば誰か――中村の心には彼しかしなかった。

「プロとしての流れをつかんで意気揚々と臨んだプロ2年目の2004年に、トップ下でプレーする気まんまんだった僕は、ボランチで起用されるようになったんです。当時は、僕自身もどうすればいいかわからず、ポジショニングもめちゃくちゃでした(苦笑)。ボランチのポジション争いは激しくて、その中でしのぎを削っていたんですけど、第9節でいきなり先発出場のチャンスが巡ってきた。不慣れな守備は大変でしたけど、"超攻撃的"と言われていた当時の前線にいたのが、ジュニーニョでした。いざ、試合に出たら攻撃がめちゃくちゃ面白くて。ボランチって、こんなにもフリーで前を向けるのかって思ったんです」

 今でこそ、当たり前に感じる"ボランチ・中村憲剛"を、ピッチの上で開花させてくれたのが、ジュニーニョだった。

「とにかく、ジュニ(ジュニーニョ)にはいろいろと教わりました。教わったというよりも、要求されたと言ったほうが正しいかもしれない(笑)。ジュニに要求されることで、自分もどんどん引き上げてもらいました。

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