2016年MVP、中村憲剛という「サッカー人」を創った3人の恩師
川崎フロンターレ・中村憲剛インタビュー(前編)
中村憲剛にとって川崎フロンターレで迎えたプロ14年目は、忘れられない1年になったはずだ。頂点を目前にして無冠に終わった悔しさはありながら、Jリーグアウォーズでは最優秀選手賞を受賞し、まさに2016年シーズンの"顔"となった。
自らのサッカー人生に大きな影響を与えた「恩師」について語る中村憲剛「(最優秀選手賞は)自分以上に周りの人たちが喜んでくれたことと、同業者の人たちに評価してもらえたことがありがたかったですね」
少し照れくさそうに話すのは、悲願のタイトルを獲得できなかった悔恨の思いが混じっているからだろうか。惜しみない謝辞は、すぐさまチームメイトをはじめとする周囲に向けられた。
「2016年は本当に周囲の成長が著しく、僕自身は自分の仕事に集中できる環境を作ってもらえたからこそ、あれだけの数字(成績)を残すことができた。僕は、ひとりでドリブルしてシュートを決めるような選手じゃない。むしろ、その真逆。周りの選手に生かされて、僕も周りを生かすことで、持ち得る機能性を最大限に発揮させてもらえた。だから、最優秀選手に選ばれたのは、チームメイトやクラブスタッフも含め、フロンターレに関わってくれたすべての人のおかげなんです」
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