高校サッカー新時代へ。東海大仰星など「伏兵校」の台頭にはワケがある

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 今年度の全国高校サッカー選手権は、青森山田(青森県)の初優勝で幕を閉じた。

 昨年12月の高円宮杯U-18チャンピオンシップでも初優勝していた青森山田は、これで二冠達成。前評判どおりの強さを発揮した一方で、同じく優勝候補と目された市立船橋(千葉県)は2回戦で、東福岡(福岡県)は準々決勝で敗れた。地域格差が縮まり、実力が拮抗する現在の選手権にあって、頂点に立つことの難しさを、改めて思い知らされる大会でもあった。

 今回の選手権を取材していて感じたのは、サッカーのベースとなる要素をしっかりと備えているチームが多くなったということだ。ベースとなる要素とはすなわち、攻守(特に攻撃から守備へ)の切り替えの速さや、守備に切り替わったときにボールを奪い切る強さといったことである。

 その代表的な例として挙げられるのが、初のベスト4進出を果たした東海大仰星(大阪府)である。

優勝候補の東福岡を破った東海大仰星優勝候補の東福岡を破った東海大仰星 東海大仰星はインテンシティ(強度)の高いプレーを連続して行なえるという点で、今大会でも屈指だった。力強くボールに襲いかかるプレッシングで東福岡を倒し、優勝した青森山田をもあと一歩のところまで追いつめた。

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